2023年11月の研究会報告
日時 2023年11月25日(土)15:30~19:15  会場 麻布中・高校&Zoom

1
仕事と力のモーメント 森 弘之
2
熱力学第1法則の学習メモ 廣井 禎
3
線形加速度センサのその後 喜多 誠
4
屈折実験の改良 石井 登志夫
5
金属線の抵抗の実験 石井 登志夫
6
内部エネルギーをより良く定義し、右近ダイアグラムを修正する 勝田 仁之
7
英国Aレベル物理とその試験問題 山田 達之輔
8
剛体の回転運動と角運動量の保存 ー物理チャレンジ実験課題1よりー 右近 修二
9
干渉あれこれ 岸澤 眞一
10
棒が倒れるときの加速度 増子 寛



会場+zoom配信のハイブリット開催。現地27名とzoom12名の合計39名が参加した。対面例会の良さを実感しつつも,全国に会員がいる会としては県外からも視聴できる環境はありがたいと思う。


 
森さん 仕事も力のモーメントも,次元としては力と距離の積ではあるが同一視できるものではない。森さんは外積を授業内で扱っているとのこと。何をどこまで伝えるかは生徒に応じて吟味したい。

 
廣井さん 夏期大会の山本さんの発表に賛同する返歌。さらに追加して,高校生では熱を加えるときしか扱わずに「加熱」と呼んでしまえば,よりイメージしやすくなる。という提案も。

 
喜多さん 6月定例会夏期大会と発表してきた,Phyphoxでの「gを含まない加速度」の測定問題。どうも,それ専用のセンサを内蔵しているのではなく演算処理で求めているようだ。ひとまず解決?!


石井さん ガラスの屈折をまち針で追いかける実験で「ガラスの中にも針を刺したい」と思い,水の屈折で針を沈めるようにした実験。木が浮かないように板の裏にはおもりをつけてある。


石井さん 抵抗器の材質を問うと不導体や半導体との声があがる。以前岸澤さんが紹介した4端子法を用いると,金属線(銅線)の抵抗も測定が可能になる。実測値から断面積に反比例も導出できた。


勝田さん 内部エネルギーの定義を再考したい。様々な形態のエネルギーをひとまとめに呼んでいるのが内部エネルギーだ。右近さんの主張に概ね賛同しつつ,ダイアグラムの改善を提案した。


山田さん 2020年にも英国Aレベルの紹介があったが,日本ではあまり扱っていない実験のスキルに関する問題や実験ネタについて話してくれた。何を身につけて欲しいかは,国によって様々か(?)


右近さん 物理チャレンジの全国大会2023年の実験問題の紹介。慣性モーメントをオシロスコープの起電力から求めようというもの。角運動量保存則まで確認することができる。キット販売もしてるそう。


岸澤さん 市販の回折実験スリットがどの程度の精度なのか確認したところ,有効数字2桁は出せそうだとわかった。他にも物理チャレンジ2022年の実験問題,ファブリ・ペロー干渉計の紹介も。


増子さん 棒が倒れる(回転する)とき,場所によっては重力加速度よりも大きな加速度になることがある。回転センサで実測し理論値と比較した報告。剣道で竹刀を振り下ろすとしなって見えるのと同様。