2023年3月の定例会(オンラインとのハイブリット)報告
日時 2023年3月4日(土)15:30~19:00  会場 麻布中・高校&Zoom

1
「第1章 物体の運動」というタイトルを変えたい 広井 禎
2
導体中の自由電子の微視的モデルについての考察 
-雨的モデルよりも複雑にする意味、ありますか?-
勝田 仁之
3
続·シャトルケースとphyphoxによる音の実験 湯口 秀敏
4
理科基礎科目または総合科目と物理について 今井 章人
5
ソレノイドコイルの磁場測定 増子 寛
6
生徒が偶然出くわす”シンプレクティック数値計算” 今和泉 卓也
7
測定する「波の授業」 石井 登志夫
8
反磁性を利用して永久磁石を宙に浮かせよう! 車田 浩道


 
今回も麻布中高の会場からzoom配信するハイブリット開催。現地24名とzoom27名の計51名が参加。モニタートラブルでご迷惑をおかけしたが,総会も無事開催し,議事の承認を得ることができた。


 
広井さん 速度から加速度といった概念のつながりではなく,現象でつないでいく方が生徒の想像は膨らむのではないか?「第1章物体の運動」というタイトルを「第1章荷物を運ぶ」と変えてみるどうか。

 
勝田さん 自由電子の微視的モデルについての議論を最近見かけるが,古典論だけで正確に求めることはそもそもできない。ならば,よりシンプルな雨滴モデルを採用した方がよいのでは,という主張。

 
湯口さん 前回の定例会でも発表されたPhyphoxで共鳴実験の続編。予想を立てた上で実験することで理解がより深まったり,予想を立てることの大切さを実感したりしている様子がうかがえた。

 
 今井さん 高校物理の変遷や履修率の歴史を調べ,履修済みの2クラスにアンケート調査を行った。「人生の役に立つか?」という質問では理科の評価は低かったが,理科に不利になる質問だろうか?


増子さん ソレノイドコイルの磁場の強さμNIの式は「無限に長い」ことを前提とする。実際に実験で測定すると,長さ350cm・70mmΦのコイルの中心100mm程度ではその値となった。


今和泉さん 運動方程式を用いたExcel計算をさせ,ズレが積み重なる様を見せようとしたら,生徒がミスして「シンプレクティック法」と呼ばれる誤差の積み重ならない方法が出てきた。これは必然か⁉


石井さん Classroomを利用しながら,実験→測定→計算を繰り返しながら波の授業を進めた。時間がなく問題演習を行えなかったが,例年よりも平均点がよかったとのこと。


車田さん 反磁性体であるビスマスでネオジム磁石を挟むようにし,フェライト磁石で磁場をかけるとネオジム磁石が浮遊するという実験。高さ調整の工夫も◎。Biは安価で手に入りやすいのでおすすめ。