物理教育国際会議2006
−すべての人のための物理教育をめざして−
International
Conference on Physics Education 2006
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Toward Development of Physics for All −
日本物理教育学会は2006年8月に表記の物理教育国際会議開催を開催する。本会議はUNESCOの下部組織の1つである国際純正応用物理学連合(IUPAP)の物理教育委員会(ICPE)が毎年共催する,物理教育に関する国際会議の一つとして位置づけられ、2005年のインドのデリーで開催される会議に続くものとして計画されている。日本でのICPE共催の会議は,1986年の上智大学での開催以来20年ぶりである。上智大学での会議では,初めて大学以外の現場の物理教員が多数参加し,それぞれの研究と実践の成果を伝え,互いに大きな刺激を与えあった。その成果は,日本物理教育学会などの学会や研究会の活動を通して、授業研究や実験教材研究に引き継がれ、現在の物理教育研究の基盤を形成した。本会議も,広く世界から若手の教員や研究者の参加を得て,物理教育の一層の活性化と若手の人材育成に多大な寄与をすることを期待している。
概要は以下のとおりである。
1.主催:日本物理教育学会
共催:(予定)日本物理学会、応用物理学会、日本学術会議,IUPAP,
ICPE
後援:(予定)文部科学省、ユネスコ、各都道府県教育委員会,理化学協会他
2.会期:2006年8月15日(火)から20日(日)
3.会場:国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)
4.会議の目的と内容
21世紀の社会の中で人が主体的に生きるためには,科学の知識とその方法を身につけることが必要であり、物理はその基礎のひとつとして重要な位置を占めている。しかしながら、物理の教育は先進諸国,開発途上国を問わず、様々な段階で各種の困難に直面している。本会議の目的は、世界各国の物理教育研究の情報や成果を交換し、それらを生かして、状況の改善に貢献することである。具体的には,小学校から大学までの授業を実りあるものに改善するために、次の5つのテーマを柱として議論する。
@ 物理カリキュラムの開発:様々な国で新しいカリキュラムが開発され実践に移されている。これらの背景、目的、方法、内容等を共有するとともに、すべての人に必要な物理カリキュラムを検討する。
A 物理教材の開発:実験教材、テキスト、IT関連の教材など、どのような方法でどのような物理概念を理解させるのか、新しい教材の開発あるいは従来の教材の再評価など、物理概念の獲得と結び付けて議論する。
B 物理授業の展開:物理概念と法則を正しく理解させるための授業展開や生徒の探究活動,素朴概念・誤概念などに関する研究を,実践例に基づいて議論する。
C 教員養成教育と現職教員の支援:小学校・中学校・高等学校・大学で科学教育に携わる教員について、その現状と望ましい方向を議論する。また、理科教員の相互支援の実現を,各国の実践に基づいて議論する。
D 学校外での科学教育の普及:物理だけでなく一般に科学は,学校の外でも学ぶことができる。博物館などの社会教育施設における科学教育や,科学の祭典その他の活動について、現状と可能性を議論する。
5.会議の形態: 招待講演、一般講演、ポスター発表、ワークショップ、演示実験、展示会
6.組織:組織委員会(委員長 兵頭俊夫、副委員長 赤羽明、事務局長 増子寛)
プログラム委員会、国際アドバイザー委員会、国内アドバイザー委員会