2016年11月の研究会報告
日時 2016年11月26日(土)15:30~  会場 麻布中・高校

1 スマートカートを検証 増子 寛
2 「登山」と「落語」 広井 禎
3 公開授業in東京 西村 塁太
4 抵抗付きLEDで格子定数 今井 章人
5 力学授業報告 石井 登志夫
6 作用反作用 吉岡 裕幸
7 バリバリサラダ 今和泉 卓也




増子さん
PASCOの無線通信台車は、車輪にエンコーダがついていて、移動距離を測定できる。タブレットPC(ソフトは無料)があれば通信できる。速度と力・位置が同時に測れるので、与えた仕事と運動エネルギーを比較することができるようになった。また、2台の衝突で運動量は保存するが、運動エネルギーは保存しないということが示せる。だだし、2台衝突させて、作用反作用の法則を示そうと思うとタイムラグが発生してしまう。しかし、USBケーブルを用いて有線でつなげば、タイムラグはほとんどない。またはバンパーを使うと時間が長くとれるため、綺麗な結果を表示することができる。ばねにつないで単振動ができないか考察中。斜面を使えばできそうとのこと。


広井さん
早稲田大学教授(経済学)の川本さんの新聞記事の紹介。登山のように汗をかいて頂上にたどり着くような、原理原則に行き着くまでを大事にした授業を展開していくべき。職人が弟子として師匠の背中を見て覚えるというのがアクティブラーニングなのでは、と最近感じている。書籍ひとりで学べる電磁気学のご紹介。全体像を把握しておくという視点で読むとよい。光の実験という本は順番が高校と違うので、頭の体操によいとのこと。


西村さん
PS研主催の東京公開講座は教員89名、生徒30名が参加した。授業形式はピアインストラクション(PI)(1時間目)と相互作用型演示実験講義(ILDs)(2,3時間目)で実施した。質問に答える時はPIはクリッカーを使用、ILDsはグーチョキパーで手を上げさせた。そのあと、新田さんから教員に対しての講義と教員7名程度でグループを作って研究協議が行われた。


今井さん
湯口さんが発表されいたものを実践してみたので紹介した。LEDは抵抗内蔵のものを使用し、定規にセロテープで貼る形にしてみた。工作の手間が省けた。


石井さん
玉田方式で授業を実施。授業記録用紙を用いて授業を定式化する。それらを毎授業回収し、模範的なものを印刷して配布する。授業を振り返るのにも使える。斜面を登って下る台車のv-tグラフの予想では4つの意見に分かれた。一部フラットになっているグラフをかいた生徒の意見は少し止まっている時間があったように思えたという意見だった。教員からフラットになるということは加速度も0になるのかどうかなどの論点整理を行ったあと、討論をさせ、文章で書かせた。授業を組み立てる、生徒の頭の中を整理させるという意味で良い。コミュニケーションが苦手な生徒も書かせたものを読むことはできるようだ。狙ったまとめができる生徒が多くいる一方で、納得仕切れていない考えもあることがわかった。公開講座でも行った連結された2物体の運動も実施したが、運動している時は静止しているときに比べて張力が小さくなることを予想できる生徒は少なかった。その後の質問タイムでは、v=0と静止しているというのは区別した方が良いという意見。静止しているはv=0が続く場合である。また、張力についての議論があった。


吉岡さん
作用反作用は力センサで実験するが、一方の質量を大きくすると、正答率が下がった。質量が大きくなると力が大きくなると思う生徒が多い。なぜ力が同じなのに、衝突後に台車が吹っ飛ばされるのかという質問があったので、運動方程式という言葉を用いて説明しなさいという課題を出した。まとめを書かせたものを見ると、運動方程式の重要性が気づけたようだった。そのあと作用反作用の法則をどのように扱っているのかで議論になった。


今和泉さん
レタスの水切りにiPhoneアプリファンクションジェネレータを入れて回すとドップラー効果がわかる。また、SPARKvueで加速度を測ってみた。その実験結果からa=vωを気づく生徒が出てきた。