2017年11月の研究会報告
日時 2017年11月25日(土)15:30~19:50  会場 麻布中・高校

1 物理教育に関わる忘れられない言葉 原 康夫
2 エネルギー学習の報告 石井 登志夫
3 電磁ブレーキ 増子 寛
4 重力波の本(一般向け) 広井 禎
5 物理授業公開講座in神奈川 報告 西村 塁太
6 USB接続分光計 石川 謙
7 SSHの課題研究 石川 謙
8 フリッカーランプの発光 本弓 康之
9 実践報告:高3電気回路 勝田 仁之
10 チバニアン 見学 山根 津貴子
11 片段ボール(巻ダンボール)でストローウェブマシンの台紙 殿村 洋文
12 集電アダプター その後 喜多 誠
13 電気回路演示 湯口 秀敏



今回は33人が参加し,盛会でした。


原さん
日本の物理教育にまつわるあれこれ。単位を取れない大学生の話題から、教師の教え方の話題まで。


石井さん
エネルギーを仕事に戻して評価するのではなく、エネルギーのままで自然観を広げる授業を目指した。


増子さん
スマートカートにネオジウム磁石をつけた板を立て、電磁ブレーキの挙動を調べる実験。電磁ブレーキに速度依存性があることが見せられる。授業への役立て方も話題になった。


広井さん
高橋真理子さんの書かれた「重力波発見!」の紹介。著者の取材を元に書かれているが、重力波を目指しながらも、古典力学からおさえていく展開をしている。二刷も決定した。


西村さん
神奈川の公開講座の報告。回を重ねたことで運営の仕方も慣れてきて、生徒も教員も、中身の議論に集中できる環境を提供できるようになってきたように思える。


石川さん
楢ノ木技研の「ezSpectra 815V」の紹介。分解能はあまり良くないが、強度や色温度の測定モードがある。浜松ホト二クスの分光器を使っているようである。お値段4万7千円。


石川さん
研究者目線からみた中・高の課題研究についての提言。高校教員と大学の研究者の考えている「研究」が乖離しているのですり合わせが必要。文系と理系でも「研究」のスタイルが違う。


本弓さん
フリッカーランプがバンデグラフに近づけると光ることから疑問を持って、調べているうちにプラズマボールに近づけても光ることは見つけた。電場と放電が関係していそうだが・・・


勝田さん
電流(電子)が回路内で等速で運動するというモデルはどこから来ているか。実際に電池をCuとMgの電池を作って実物を見せてからモデル化している。回路を考える上でのベースとなるモデル作り。


山根さん
地磁気ポールシフトの痕跡が残るチバニアンを見学したときの話。千葉県の養老渓谷にある。なかなか険しい山奥にあるが、見学用に整備されている。観光名所になるのも良し悪しかと。


殿村さん
ストローウェーブマシンを作るときに型紙になるダンボール。片ダンボールとして売ってもいるが、普通のダンボールを剥がしてもできる。


喜多さん
コーヒー(豆)の缶を使って集電カップの巨大化に成功。大きなものもクーロンメーターで測れるようになった。


湯口さん
3連豆電球や黒板貼り付け式コンデンサなど、授業で活用できる手製演示実験器具。