2018年3月の研究会報告
日時 2018年3月3日(土)15:30~19:50
会場 麻布中・高校
1 | 波動授業報告 | 石井 登志夫 |
2 | 放射線:教科書(物理基礎)の記述から | 広井 禎 |
3 | 後藤道夫先生 | 広井 禎 |
4 | コンデンサー電圧安定化 | 湯口 秀敏 |
5 | 動摩擦力 | 手塚 博紀 |
6 | モーター・発電機 | 武捨 賢太郎 |
7 | Desmosで波の式 | 今和泉 卓也 |
8 | BEMA実施報告 | 今井 章人 |
9 | 風車のマッチング | 増子 寛 |
10 | 潮汐力? | 勝田 仁之 |
今回は32人が参加し,未会員の方も3人参加してくれて盛会でした。
石井さん 「波動」の実践プラン2018年度版の紹介。到達目標に「変位を媒質が伝えていく」を掲げ、ウェーブマシンを使い倒していく展開。もう少し媒質に着目させたいが、どうしていくか。
広井さん 放射線の教科書にある記述について。ただ羅列してあるだけで説明もなければストーリーもない。今のままでいくなら放射線を定義しなおす必要がある。単位の紹介も再考すべき、とのこと。
広井さん 昨年末に他界された後藤道夫先生について。享年90歳。若い頃からNHKの科学番組作成に関わり、科学の祭典を立ち上げ、長野県飯田市で科学教室を開いた。ご冥福を祈ります。
湯口さん コンデンサーの回路を利用することで、電荷がどう移動していくかを考えさせる課題にすることができる。手回し発電機の脈流も電圧安定化作用を演示することができる。最近のコンデンサーは大容量になったので、リークを気にせず実験ができるようになって来た。
手塚さん 動摩擦力が(ある範囲では)速度によらず一定であることを実際に実験を通じて見せる授業プランの実践報告。動摩擦の授業のあり方から、議論が盛り上がった。
武捨さん 100回巻きコイルでの直流・交流両方に使えるモーターを自作した。教科書にあるブラシの絵がそのままわかるような工作になっている。さらに発電機としても使え、取り出した交流を、ダイオード回路を使って全波整流するというおまけ付き。構想してから5ヵ月かけての力作だそうで。
今和泉さん Desmosというアプリを使って、波の式を扱ってみた。グラフが簡単に描ける、ブラウザ上で動く、グラフを動かせるなど、自由度が高い。グラフのイメージを持たせるのに便利そうだ。
今井さん 国際的標準調査問題であるBEMA(電磁気概念調査)をやってみた報告。ただし元々、高校生を対象にした調査ではない。ゲインが下がってしまったものもあるので、授業改善に取り組みたい。
増子さん 太陽電池では普通のモーターは回らず、太陽電池の専用モーターを使う。太陽電池で風車を回そうとしても、上手くいかないときもある。では、風車で風車を回すとどうなるだろうか。相手側の風車の抵抗が小さ過ぎてもダメだし、大き過ぎてもダメだ、ということがわかった。マッチング問題。
おまけで、見かけの深さを測定する装置の紹介もあった。
勝田さん 潮汐力に関して、よく言われている月と地球の二体系の重心周りの遠心力による説明を再考してみた。このあたりを読むと、コリオリまで含めないといけないらしい。