2018年8月 夏期研究大会報告
今年のAPEJ夏期研究大会は,8月6(月),7日(火)の2日間,東洋英和女学院中高で開催されました。
大会の詳細な記録は,会誌「物理教育通信」No.174に掲載されました。
夏期研究大会の概要(案内PDF)
期日 8月6(月),7日(火)
会場 東洋英和女学院中高
テーマ 物理授業における「探究」とは
参加人数 64名
プログラム
6日(月) | 研究発表 (原著講演) |
喜多 誠 | 横浜 平沼橋 熱膨張を調べてみた |
増子 寛 | 2台の台車の連成振動 | ||
勝田 仁之 | 授業におけるGoogle forms の活用 | ||
井上 賢 | 「誤差が大きいから失敗」と言わせない ちょっとした指導の工夫 ーヒストグラムの活用ー |
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招待講演 | 東京工業大学 教授 石川 謙 |
理系研究手法の習得と探求活動 | |
グループディスカッション | 企画講演を受けて | ||
全体討議 | グループディスカッションの発表 等 | ||
研究発表 (原著講演) |
湯口 秀敏 | 電気に関する演示実験装置 ー 三連豆電球台とコンデンサーを使った演示実験Ⅱ ー |
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広井 禎 | 高校物理で音波は必要ない | ||
懇親会 | |||
7日(火) | 研究発表 (原著講演) |
鈴木 亨 | 今春東大入試は出題ミスか? |
堀井 孝彦 | 考えさせながら教える小学校理科 -第5学年「振り子の運動」の授業実践を通して― |
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川島 健治 | 虹と光 プラン | ||
手塚 博紀 | FCIの学校間比較 & pre-postの結果 | ||
西村 塁太 | IBの探究型授業 | ||
北岡 和樹 | 授業実践報告「電気」 〜静電振り子のメカニズムの解明〜 |
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招待講演 | 早稲田大学本庄高等学院 影森 徹 |
主体的で 対話的で 深く考える授業の模索 ー課題研究・グループ学習の実践報告ー |
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企画講演 | 勝田 仁之 | 物理授業における“探究”とは? | |
石井 登志夫 | 授業と探究 〜力学の授業を通して〜 | ||
今和泉 卓也 | ICTで探究型授業 | ||
全体討論 | パネルディスカッション |
開会式
喜多さん 冬と夏、気温差の大きい日でデータを取得している。会場からは、熱平衡に達した真夜中に
データを取れば?なんて声も。
増子さん バネで連結した2台のスマートカートのデータ。エネルギーの受け渡しも見える。
勝田さん ICTを活用した生徒入力フォームの紹介。教員が入力するよりも各自入力は、便利。
井上さん データを学年全体で共有すれば見たいものが出てくる。データのばらつきは失敗じゃ無い。
展示各種 参加者との意見交換がおもしろく、また勉強になる。
石川さん 「答えがあるかわからない問題」を扱うことが、探究を教育として価値のあるものにする。
グループ討論と全体発表
湯口さん 黒板貼付回路とセンサーを用いた演示。コンデンサの過渡現象もわかりやすく可視化。
廣井さん 音波の入試ミスが相次いだ。高校は疎密や変位で音波を学ぶより、電磁波を確り扱うべき。
鈴木さん 東大入試問題のグラフ精考。力積と運動量、グラフの面積に着目させれば、題意が際立つ。
堀井さん 小学校での実践報告。知識を与えるのではなく、現象を分析させるのは難しい。
川島さん 絵本「虹をつくる」をベースにした授業。なぜ7色か、でフロアでは議論が盛り上る。
手塚さん 受験勉強に対するバックボーンの違う生徒たちでは、力学の概念獲得に差がある?ない?
西村さん 生徒自身がレポートを評価してみることで、アカデミックライティングを獲得させる取組。
北岡さん 生徒が実験方法をデザインする授業。何を調べ、そのために何をしなければいけないか。
影森さん 課題研究授業の実践紹介。生徒が楽しんで一生懸命だと、教員もやりがいがある。
展示各種2日目 課題研究のテキスト見本には、興味深々の参加者も。
勝田さん 物理基礎の授業を探究的に展開していくことについて。重力下での運動をじっくり扱う。
石井さん 斜面を登り降りする台車の運動を題材に。論点を絞って授業時間内に納めるのは流石。
今和泉さん スマホを活用した探究型授業の紹介。電子黒板を活用した自作アプリも。教員の探究。
全体討論 教員が授業を楽しむことそのものが、授業を良くする秘訣かも。