2020年8月の夏期臨時例会(オンライン)報告
日時 2020年8月13日(木)13:00~16:30  会場 Zoom上にて

1 女子および文系を選んだ男子の物理嫌い −香川県下の公立高校1年生の理科に対する意識および文理選択に関する調査結果− 笠 潤平
2 電磁気分野の演示実験(どの学校でもできそうなものを中心に) 清水 裕介
3 素朴概念の変容 石川 謙
4 授業課題と実験動画 勝田 仁之
5 力学の目的と等加速度直線運動の公式 磯部 和宏
6 物理基礎 電流・電圧の生徒実験報告 湯口 秀敏
7 Kinoveaを用いた衝突の生徒実験 〜その2 展開編〜 今和泉 卓也
8 一様な磁場中で運動する導体棒に生じる起電力 増子 寛
9 臨界角における光線の在りか 市原 光太郎



今回は39人が参加。終了後に総会があった。遠隔地参加が可能なのも、オンラインの恩恵である。


 
笠さん 文理選択をする前の段階で,物理分野の得意/苦手や好き/嫌いを調査している。ジェンダー差による傾向はあるのか、物理が嫌いになる要因はどこにあるのか。地域差もあるのか気になる。

 
清水さん 電気分野での事例紹介5つ。実際に授業した印象を長所と短所で整理し、授業の目的との整合性等も合わせて考えている。研究会で発表(アウトプット)すると授業が深化していくパターン。

 
石川さん 実体験が変わってきたためか、素朴概念を育むこともできなくなっているのではないか。科学教育の目的は。答えが無い(かもしれない)問いにも挑めるように育てたいが、なかなか難しい。

 
勝田さん 授業・演示実験動画の紹介。お話で終わるのではなく、実際に実験で結果を確認することも忘れない。どのような問いを立てれば生徒が能動的に思考するのか、について考えさせられる好例。


磯部さん 等加速度運動における「速度と時間の関係式」「位置と時間の関係式」を連立させて時間を消去した関係式について。だれかが言った「公式とはあまり呼びたく無い」に賛同する人多数。

 
湯口さん 三連豆電球を含めた、電気回路の生徒実験の紹介。コロナ禍になる前とはいえ、実験道具を用意するのは大変そう。だが、実際に生徒にデータを取らせて分析する授業はとても魅力的。

 
今和泉さん 二次元平面にこだわって衝突の分析をすすめる。分析から見えてきた要請から、重心運動からみた視点や運動量保存則導入する。あくまでも結果から必然的に導かれるというスタンス。

 
増子さん スマートカートに導線を乗せ(10巻コイル)、ヘルムホルツコイルで作った磁場中に出し入れし、誘導起電力と速度の関係のデータを取った。磁場を磁石にしなかったのもポイント。


市原さん 時間が余ったため飛び入り発表。ちょうど臨界角になっているときに境界面と平行に進む光は存在するのか?あるとしたら媒質1と媒質2のどちらを通るのか?という疑問。zoomの投票も。