2025年5月の定例会(オンラインとのハイブリット)報告
日時 2025年5月24日(土)15:30~18:30 会場 麻布中・高校&Zoom
AIに物理の問題を解かせてみた | 右近 修治 | |
相互作用型授業のファシリテーションの方法を再検討 | 勝田 仁之 | |
Smart Cart を用いた生徒実験 | 勝田 仁之 | |
「窮理図解」の版下の紹介 | 喜多 誠 | |
ニュートンビーズ(鎖の噴水)でたぐり出し点で鎖が登っていく条件~非弾性的連結過程での運動量発生 | 夏目 雄平 高橋 利宏 | |
平行電流間に作用する力の計測 | 増子 寛 | |
中学幾何光学、どこまでやれるか | 峯岸 晃生 | |
眼のパラドクス | 峯岸 晃生 | |
気体分子運動を扱うときのこと | 今和泉 卓也 |
今回も麻布中高の会場からzoomで配信するハイブリット開催。現地25名とzoom16名の計41名の参加。若手が遠慮なく質問し,ベテランが厳しくも優しいアドバイスをするapejらしい定例会であった。
右近さん ChatGPTは数値計算でも概念的な問題でも多くの問題を解けるが,図解が苦手なようだ。数年前の先行研究と比較すると,明らかに進化している。教員にしかできない教育は何だろうか?
勝田さん 中学生に幾何光学を実施。発表は生徒の言葉でさせるが,要点を教員が板書するように変更してみた。生徒間で共有しやすく班での議論の材料としやすい点はよいと感じているとのこと。
勝田さん スマートカートで生徒実験を行った報告。力を一定にした時と変化させた時を見比べ,a-tグラフとF-tグラフが同期していることが見いだされた。ここでの疑問が運動の法則につながる。
喜多さん 明治元年に福澤諭吉が書いた「窮理図解」。日本で最初の科学書といわれる本の版下の実物を,慶応義塾大学からお借りして,実物を持ってきていただいた。非常に貴重な資料。
夏目さん・高橋さん ニュートンビーズという鎖が噴水のように登っていく現象を理論的に解説。非弾性過程で運動量が過剰に与えられるために登っていく。鎖の慣性モーメントも影響するとのこと。
増子さん 平行電流間に作用する力は小さいため,直線導線では難しいが,600回巻コイルを利用し,電子天秤の載せることで測定することができる。1.33×10-2Nで有効数字2桁の正確さは出る。
峯岸さん 中学での幾何光学で,2光線を辿ることでモノを観測できることを徹底した。課題を考える際に作図する生徒が増えたことは良い変容。両目に入る2光線としたことには課題が…。


峯岸さん これまで幾何光学で疑問に思っていたことを発表。「像ができる」ということに対して,どこまで「見える」ということを対応させるべきか議論となった。


今和泉さん BB弾をアクリルの筒に入れ,スピーカーの上に載せるとBB弾が分子運動のようになる。実験が少ない分野だけに,この実験から展開していくと計算も実感が持てる。