2026年8月 夏期研究大会
今年のAPEJ夏期研究大会は8月2(日),3日(月)の2日間,早稲田大学早稲田キャンパスを会場とし,zoomも併用してオンライン参加もできる大会でした。詳細な記録は,会誌「物理教育通信」No.206に掲載されます。

夏期研究大会の概要(案内
期日    8月2(日),3日(月)
会場    早稲田大学早稲田キャンパス22号館(zoom併用開催)
テーマ   これまでの物理教育を振り返り、これからの社会で物理を教える意味とは何かを考える

プログラム

2日 50周年
記念企画
「APEJ これまでとこれから」
09:00
ミニ講演「物理教育研究会について」  笠潤平 
09:15
パネルディスカッション 「今の物理教育・授業実践につながる話」
笠潤平,増子寛,喜多誠,石井登志夫,井上賢,今井章人
 
10:00
休憩
開会式
10:20
開会宣言・APEJ会長挨拶・実行委員長挨拶・諸連絡
特別講演①
10:30

11:50
早稲田大学先進理工学部応用物理学科
澤田 秀之  教授
21世紀中葉の科学技術社会を担う人材育成のために物理教育が果たす役割を考える
  昼休み 兼 業者展示
研究発表
(原著講演①)
13:00




14:15
尾形 総一朗 水槽を用いた等電位線の実験とWebアプリによる可視化
水嶋 剛琉 ホール素子と拡張現実を用いたリアルタイム磁場可視化教材の開発
殿村 洋文 ビースピタワー(改良版)をどう授業で使うか
西尾 信一 電気エネルギーの系と電場のエネルギー
  休憩
研究発表
(原著講演②)
14:40


15:35
今和泉 卓也 太郎と花子の質量物語
小野 浩志 ヤングの実験などの光学実験を写真撮影で
新田 英雄 力学と熱力学のつながりを考える
  休憩
企画講演
16:00

17:20
東京大学物性研究所
松田 巌  教授
未踏物質・未来材料を開拓する人材の育成
  17:20 ⼀⽇⽬閉会   諸連絡
  18:00 懇親会 (新北京)
 
3日 開場
08:45
受付
研究発表
(原著講演③)
09:00



10:15
石井 登志夫 小学校の電気学習
増子 寛 円形電流に拠る磁場の計測
飯高 匡展 高校生が物理をおもしろいと感じる理由の類型と変化
笠 潤平 最近の英国物理学会の中等物理教育に関する方針等について
  休憩
企画講演
ワークショップ関連
10:40



11:55
右近 修治 原子の単元で何を伝えるか
勝田 仁之 光線モデル
今和泉 卓也 波・干渉
井上 賢 中学電気回路
  昼休み 兼 業者展示
企画WS
13:00
授業づくりワークショップ(4つの分科会)
 
15:00
休憩
 
15:20
総合討論
閉会式
16:30
 


 
        ミニ講演              パネルディスカッション

  
  実行委員長挨拶        会長挨拶           会場の様子


  

   

   
澤田さん 人を助けるロボットの研究やAIを活用した計測・制御など、ロボット研究の最先端も紹介。フランスとベルギーの教育について触れ、英語で国際的に学ぶことの大切さを実感を持って伝えてくださった。様々な学問分野が複雑に関係しあっている現在での、新しい教育を考えていかなければ。

 
業者展示

 
尾形さん 水槽を用いた等電位線の実験で、生徒がデータを入力すると3Dグラフで表示されるようなWebアプリを生成AIで作成した。ツールが便利になるからこそ生徒に何を学ばせるかを吟味したい。

 
水嶋さん ホール素子とマイコン(M5StickC)、言語はUnityを使い、磁場を定量的に3D可視化する教材を開発した。これを使うことで生徒の理解が向上するかを調べたいとのこと。実践報告に期待。

 
殿村さん 実験講習会でも活用された、工作用紙で作るビースピタワーの紹介。教員養成課程で開発したということなので、「創意工夫して実験する」マインドが学生さんに伝わったのではないだろうか。

 
西尾さん 『位置エネルギーは系全体に蓄えられる』を、静電気による位置エネルギーでも説明した。コンデンサでは電場が蓄えると説明されることもあるが、これは「電荷と電場の系が持つ」ではない。

 
今和泉さん 慣性質量と重力質量の違いはかなり難しい。そこで「宇宙船で暮らす太郎と花子」のお話を考え、生成AIで紙芝居やアニメ、実写風動画を作成した。本人曰く、フランク定数の高めな発表。

 
小野さん ヤングの実験や回折格子、単スリット・複スリット、くさび型干渉やニュートンリングにロイド鏡、虹、暈、光環など、2年間かけて撮り溜めた光学現象の記録。生徒も実データで分析可能。

 
新田さん 高校物理で熱と力学とのつながりが欠落しているのではないか、という指摘。水圧や大気圧などでも、力学的なつり合いの記述がラフになっていそう。準静的過程としての取扱の説明が欲しい。

  

   

   
松田さん 独創性と新規性を意識して、物理学と化学を共に専攻した強みを活かした研究半生を紹介。新しい眼で見てこれまでに無かったものを創り常識を変えるブレイクスルーを行う。放射光での計測も試料の入れ替えを自動化して分析データ数が跳ね上がった事例なども紹介。未踏の領域を切り開く。

 
石井さん 小学校では3年生から6年生まで毎年電気分野を扱っている。各学年で何をやっているのかを紹介してくれた。市販キットの難しさや金属について学ばない状態での難しさがあるようだ。

 
増子さん 円形コイルの中心軸を含む平面上で、3軸磁気センサを使って磁場を測った報告。位置決定にはスマートカートを利用している。理論通りの値が得られて満足の行く結果だったと言えそう。

 
飯高さん 高校3年生の物理選択者に質問紙調査を行った。物理が日常に関わっている、と感じられると「物理は面白い」と感じているのかもしれないとのこと。授業を組み立てる参考にしたい。

 
笠さん 英国物理学会(IoP)が2024年にまとめた、中等物理教育のカリキュラム設定の考え方の紹介。4つの設計原則で、物理が世界を理解するための面白くて価値のある営みであることを伝えたい。

 
右近さん&植松さん 「原子の単元で何を伝えるか」

 
勝田さん&佐々木さん 「光線モデル」

 
今和泉さん&峯岸さん 「波・干渉」

 
井上さん&日笠さん 「中学電気回路」

 

 
授業づくりワークショップ(4つの分科会)